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株式会社
ハイバーテック ![]() | ||||||||||
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PC/104ベースの組み込み向けボード仕様を業界に提案配線の引き出しが簡単に,フラットケーブル・コネクタの装着も可能
ここにきてハイバーテックが,新たな標準ボードの仕様を提案する背景には,FA(ファクトリ・オートメーション)やLA(ラボラトリー・オートメーション)向けシステムの開発現場において,組み込み用ボードに対するニーズが高まっているにもかかわらず,使いやすい標準ボードがなかなか見つからないことがある。「特に卓上で使う小型システムや機器内の小さなスペースに格納するために最適な標準ボードが見当たりません」(ハイバーテック代表取締役 斎藤収氏)。 システム設計の効率化を図るうえで,寸法やインタフェースなどが規格化された標準ボードの利用は有効な手段だ。CPU,通信インタフェースや入出力インタフェースなど仕様が規格化されている回路を標準ボードに置き換えることによって,設計作業の負担を軽減できるからだ。ところが日本市場では,小型システム向け制御システムを標準ボードで実現する機運が,なかなか盛り上がっていないと言う。「特にハイバーテックが数多く手掛けるモータ制御システムの分野で標準ボードを使って構築するシステムは,パソコンと拡張ボードを組み合わせたりVMEバスやCompactPCIを搭載した標準ボードを使ったりする比較的大型のラックマウント型が主流です。あるいはシーケンサー(PLC:Programmable Logic Controller)が使われています」(斎藤氏)。ラックマウント型にするような装置やシーケンサーでは,卓上に設置する小型装置に組み込むのは難しい。 小型ゆえの不便さを解消組み込み用を前提に開発した標準ボードとしては,PC/104ボードがある。PC/104とは,パソコンで幅広く使われているISAバスを搭載したボードの規格だ。基板サイズのほか,ボード固定用ネジ穴の直径と位置,コネクタの位置や高さなどが標準化されており,複数のPC/104ボードをスタックして使うこともできるようになっている。3.5インチ・フロッピーディスクとほぼ同程度の大きさで,外形寸法が96mm×90mmと小さいのが特長である。「米国を中心にPC/104準拠のCPUボードが,FA機器などに数多く使われています」(斎藤氏)。 ところが,PC/104ボードでも,小型装置の小さなスペースに組み込むには不便な場合が少なくないと言う。一つの問題は,ボードからケーブルを引き出せる領域が小さいので,配線の引き出しや引き回しの自由度が少ないことだ。多ピンのコネクタやフラットケーブル・コネクタをボード内に実装するスペースを確保しにくいという問題もある。「ボードに実装したコネクタを装置のリヤパネルに取り付けるといった使い方ができません」(斎藤氏)。こうしたPC/104の問題を解決したうえで,すでに組み込み用に数多く使われているPC/104ボードや3.5インチ・サイズのボードと組み合わせて使えることを前提に考案した仕様が,「PC/104D」である。
限られた空間を活用できるボードPC/104Dの特長は,PC/104と同じバスを使いながら,縦横の寸法を215mm×101mmに延ばしたことだ。長手方向の寸法がPC/104の約2倍になっている。ボード面積が広がったことで,配線の取り出しや,引き回しがしやすい。PC/104Dのボード面積はPC/104よりも大きくなっているが,同じ高さにボードをスタックした場合にPC/104ボードの2倍の実装面積を確保できるので,PC/104ボードよりも機器内の限られた空間を有効に利用できると言う。 PC/104Dボード内にPC/104ボードや3.5インチCPUボードをスタックすることもできる(図2)(ベースボード)。特にPC/104ボードは,水平方向に2枚スタックすることが可能だ。「2枚のPC/104ボードを水平方向にスタックしたときに,ボード間に数ミリの隙間ができるように長手方向に寸法を決めました。この隙間を利用して効率的に配線することができます」(斎藤氏)。ボードの寸法が延びたことで,横長のフラットケーブル・コネクタをはじめコネクタ類をボードに実装できるようになった。このためリヤパネルに取り付けるコネクタを1枚のPC/104Dボードに実装することも可能である(図3)。 ハイバーテックは,4軸モータ制御ボード,デジタルI/Oボード,電源ボードなどPC/104Dを使ったボードを,すでに数多く製品化している。「PC/104Dの仕様に沿ったボードの品種が増えれば,標準ボードを使った組み込みシステムの開発の幅が拡がります。多くのメーカーにPC/104Dの仕様を採用していただきたいと思います」(斎藤氏)。
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